2009年04月30日

相次ぐ出版社破たん、出版不況を抜け出す術は・・・・・・・・

先日、ある本を買おうと思ったら、どこにも売っていない。
アマゾンのマーケットプレイスに、とんでもない値段で出品されていた。

いろいろ調べた結果、なんど出版社が倒産していたのだ。

最近は、出版社の倒産が増えている。

1:読者離れ
2:出版構造の老朽化
3:経済不況
のトリプルパンチによって、出版業界はダウン寸前だ。

しかし、アマゾンやブックオフなど勝ち組も存在する。

アマゾンはネット販売という流通革命によって、生き延びたわけだ。
私の本もアマゾンでは、未だに売れ筋となっている。

売れる本は、売れるのだ。

とはいえ、出版業界の構造そのものが、ネックとなっているので、倒産は増えるだろう。

買い取り条件付の売上げなんて、本来売上げではないのだ。
見せ掛けの売上げがあるので、経営上のチェックは難しい。

「儲かっていると思っていたら、実は赤字だった」というのは、他の業界より出版業界の方が多いだろう。

出版業界は、構造そのものを変えなければならないときにきていると思う。

本は本屋に並べても売れないのだ。

今までの出版社のように、「本を作って本屋に並べる」のが仕事だと思っていると、確実にダメになるだろう。

売れる本を作るためのノウハウが必要なのである。

また、取次ぎや書店に頼らない販売方法を確立すべきである。
電子書籍や直販に効け変えれば、利益率は数倍になるのだ。


方向転換を早く済ませた出版社だけが、生き残るだろう。

昨日と同じ事をやっていては、生き残りれない・・・・・・・・・・・・・・



******<< 以下記事の引用 >>**************

出版社の破たんが止まらない。

【拡大画像や他の画像を含む記事】

 去る4月20日にも、手芸関連書籍老舗の雄鶏社(東京都新宿区)が、負債約12億8000万円を抱えて自己破産した。帝国データバンクによれば、同社は1945年創業で、1985年には年商約40億5000万円を計上していた。しかし、出版不況が続く中、趣味・嗜好の多様化により読者が減少。近年の年商はほぼ半減の20億円台にとどまっていたという。

 3月9日にはメディア・クライス(東京都新宿区)も自己破産を申請している。この出版社は2008年8月に加護亜依さんの芸能界復帰エッセイ『LIVE 未成年白書』刊行で、話題を呼んだばかりだった。負債総額は約21億円。

 3月30日にはユーリーグ(東京都新宿区)が民事再生法を申請した。シニア雑誌『いきいき』や日野原重明著のベストセラー『生きかた上手』で知られた出版社だ。負債総額は約65億円。

 2008年の出版社倒産件数は52社で、過去最多だった2007年よりも3社減ったものの大型倒産が相次ぎ、負債総額は197億2500万円。これは2007年の151億2700万円を約46億円上回っている。

 2008年に破たんした主な出版社には、徳大寺有恒著『間違いだらけのクルマ選び』シリーズや齋藤孝著『声に出して読みたい日本語』の草思社、教科書大手の大阪書籍、『NHKためしてガッテン』シリーズや田原総一朗の本などを発行しているアスコム、自費出版大手の新風舎、雑誌『男の隠れ家』や『頭で儲ける時代』のあいであ・らいふ、PCやビジネス関連書籍の九天社などがあり、それぞれ個性ある出版を行ってきた会社までもがつぶれている。

 中小だけではなく、大手の経営も苦しい。講談社の2008年11月期決算は、13年連続減収で過去最大の赤字。売上高1350億5800万円(前年比6.4%減)、営業損失約62億円、経常損失約52億円だった。出版最大手の小学館も3年連続減収中で、2008年2月期決算は、売上高1413 億4400万円(前年比3.8%減)、営業損失11億9900万円、経常利益9億6300万円であった。

 一方で、書店を含む書籍販売業の2008年倒産件数は2007年より8社増の48社。負債総額は297億300万円で、前年の152億5400 万円に比べてほぼ倍増している。九州一の書店チェーンで93店あった明林堂書店の負債147億8000万円は、書店業で過去最大であった。また、廃業した弘栄堂書店の吉祥寺店は、日本一『Hanako』を売る店であった。書店の方も力のある店ですら、経営が厳しいことがうかがえる。

 2008年の書店廃業数は1095店と4年ぶりに1000店を超えた。2007年の廃業数951店より144店と大幅増。書店廃業は1997年から2003年まで毎年1000店以上の高水準で推移しており、その後は900店台とやや減っていたが、不況の深刻化で2008年はまた増えた。それにしてもネット販売や大型書店に押されてとは言え、毎年1000店が無くなる書店の経営事情は、商店街の小型書店がもはや成り立ちにくい現状を示している。

●Amazonとブックオフばかりが儲かっている

 出版社、書店がともに苦しむ中、独り勝ちしているのがアマゾンジャパンである。『通販新聞』によれば2007年6月期〜2008年5月期の年商は約2200億円で、前年度に比べて37.5%も伸びている。このうち書籍が何%あるのかは不明だが、紀伊国屋書店の約1198億円、丸善の約1025億円よりも多いのは確実で、すでに日本最大の書籍小売業者である。

 また、新古書のブックオフコーポレーションも、年商は右肩上がりで伸びており2008年3月期は約505億円となった。前年度に比べて9.2%増だ。つまり、従来の書籍流通のアウトサイダーにあった通販業者や新古書業者ばかりがもうかっている構図が見える。

 出版業独特の構造として、出版社と書店をつなぐ役割がある「取次」と呼ばれる卸売業大手2社の規模が巨大である点が挙げられる。2008年3月期の日本出版販売(日販)の売上高が6471億900万円、トーハンの売上高は6189億6800万円。この2社で取次シェアの7割を握っているとされる。出版社最大手の小学館と講談社、書店最大手の紀伊国屋書店と丸善がそれぞれ、1000億円台前半の売上高なのだからその5〜6倍の規模である。

 なぜ日販やトーハンが存在しているのかというと、出版社も書店も小規模な会社が無数にある状況下、両者が個々に直接取引をするのは現実的でないという問題があった。また、出版業界には著作権保護の観点から独占禁止法の一部として、定価販売を義務付ける再販制度(再販売維持制度)が敷かれている。なので消費者はどこの本屋で本を買っても、出版社が決めた全国一律同じ値段である。

 しかし、この再販制度は中古本には適用されておらず、その間隙を突いて、リアルでブックオフ、バーチャルでAmazonが伸びてきたわけだ。

 ブックオフは本の買取において、従来の古本屋が行ってきた文化的価値を考えての査定を一切行っておらず、本の新しさや保存状態といった外面で決める。そこで素人参入が可能なFC(フランチャイズ)での店舗拡大が可能になった。ブックオフは印税を著者に払う必要がない。そのため、出版社の経営苦で書き手に払う金額が少なくなって、著者の生活が苦しくなっても栄える一方なのである。

 さらに出版業界には委託販売という、本来の委託販売とは異なった独特の返品条件付売買制度がある。出版社は取次に販売を委託する時に、返品条件を決めていったん売却する。そこでまず出版社に入金がある。そして書店は一定期間が過ぎて本が売れなければ条件に従って、取次に返却するのだ。

 この弊害として、本全体が売れなくなって経営が苦しくなった場合、出版社は出版点数を増やして、取次からつなぎ資金を得ようとするようになる。だから昨今の文庫・新書のように全体の売り上げが落ちているのに、出版点数が増える現象が起きる。文庫・新書バブルは出版業界の抱える構造の弱点の縮図にすぎないのだ。

 出版社は昨今のように返品率が約4割ともなると、非常に経営が苦しくなってくる。書店も出版される新刊点数が年間約8万点と多すぎてさばき切れず、店頭に本が並ぶ期間が短くなり、小さな書店では置き切れなくなる問題が生じてくる。しかも、品切れの補充が後手に回りがちだ。書店同士で情報共有がなされていないので、消費者はどこに行けば本が入手できるのかも分からない。本がなくて取り寄せとなると、10日前後掛かってしまう。そうこうしているうちに、すぐ読みたい本を入手したい消費者はAmazonに注文してしまう。こういった悪循環が続いているのである。

 また、取次の経営も悪化しているので、今や取次からも再販見直しの声が上がるようになってきた。鮮度が重要な実用本などについては再販期間を時限化して、例えば1年を過ぎると、書店が自由に価格を決められるようにすれば面白い。

 しかし、消費者が書店に行かないのは、むしろ買いたい本がなかった場合の対応が遅いからではないだろうか。

 ドイツ在住ジャーナリストのシュピッツナーゲル典子氏「書籍大国ドイツの出版業界、その流通・経営・制度・人事育成の特徴(メディアサボール、 2008年4月4日付)」によれば、ドイツでは110万点の業界共有データベースがあり、24時間以内に注文した書籍が配送される仕組みがあるという。

 地域の本屋と本屋をオンラインでつなげて情報共有し、せめて本の在りかが分かるようにならないものか。神保町では三省堂書店が中心となって、街の本屋がデータを共通する仕組みが提案されており、岩波ブックセンターとはすでに連携している。自社だけで生きていく時代ではなく、新刊書店、古書店を含め、神保町が一体にならないと勝ち残れないというのが、三省堂書店の考え方なのである。

●書店のあり方に一石投じたジュンク堂、丸善

 本が売れるためには、小売段階の書店の売り場がもっとワクワクするようになっていかなくては、いけないのではないか。これまでの書店は、全国の消費者に対して一律に本を届ける窓口であった。全国一律のメニューを出すファミレスやチェーン系居酒屋、スーパーの衣料が苦戦するように、どこに行っても個性がとぼしい書店の販売も苦戦している。それに対してブックオフはチェーンでも、十分に安いから伸びている。

 しかし、書店の中には自ら変わらなければならないという危機感を持って、経営している会社もある。

 ジュンク堂書店は1963年兵庫県神戸市で創業。1995年の阪神淡路大震災以降、大型店の出店を本格化し、1997年に1000坪ある池袋店で東京に初進出。2001年に同店は2000坪に拡張して池袋本店と改称、国内最大規模となった。そして現在では、全国に39店を有している。

 池袋本店は地下1階から9階まで10フロアーあり、レジは1階に集中させる独特の構造で、座り読みできる椅子を設置して、図書館のようにじっくり本が選べるようになっている。

 「普通の本屋はベストセラーを中心に置きますが、池袋本店は堅い内容の専門書が多いので、本をゆっくり選んでもらおうと、座り読みを導入しました。みすず書房、東京大学出版会、文芸書の海外翻訳物などといったような、一般の書店が敬遠するような良書を積極的に品揃えしています」(大内達也1階フロアー長)

 大内氏によると、知識人・教養人が減って、昔なら3000部くらいは売れた人文・社会科学の専門書が、500部も売るのが難しくなったという。当然、中小専門出版社の経営も苦しい。そうした中小専門出版社にチャンスを与えて、文化を絶やさないためにも頑張りたいという。

 知識人を店長にすえて、その人がセレクトした本のコーナーもウリで、現在は7階特設会場で「木田元書店」を半年間展開する。木田元氏は中央大学名誉教授で、現象学を専門とする哲学者である。過去には詩人・谷川俊太郎、作家・椎名誠、社会学者・上野千鶴子、聖路加国際病院理事長・日野原重明といったような人たちが店長となった。週に2、3回文化人を招いて4階喫茶で開催するトークセッションも人気。立ち見がでることもしばしばあるそうだ。

 学者・研究者に照準を合わせたジュンク堂池袋本店に対して、ビジネスマンをターゲットにしたのが、丸善丸の内本店だ。この店は2004年にオープン。東京駅前にある「丸の内オアゾ」のキーテナントで、総面積1750坪の巨艦店である。

 丸善は1869年創業で日本初の株式会社と言われる古い会社で、最初は近代日本に西洋の文物を輸入して販売していた。その中に洋書もあったわけだ。社運をかけた丸の内本店にはセンターに広い通路がある。西洋の博物館風の内装がとてもおしゃれで、モデルが入っての撮影スポットとしてもよく活用される店だ。4階には「本の図書館」という本の歴史が分かる展示室も設けられている。

 丸善丸の内本店は、店員による自主編集のコーナーが随所に作られているのが大きな特徴だ。1階にある「そうだ、本がある。」コーナーでは、経済学や商学の古典や名著を、単行本、文庫、新書、雑誌の区別なく、入門、基礎、応用と読者が身に付くように展示。また、「食」、「人と生態系の未来」など、丸の内のビジネスパーソンが興味を示しそうなさまざまなテーマを決めて本を集めた「丸の内ジャンクション」というコーナーもある。3階の「21世紀図書館」では現代の新しい古典とも呼ぶべき本を集めている。

 また、ベテランの店員をブックアドバイザーとして専門分野に配し、文芸書で女性からのリクエストが多い「泣ける本がほしい」といったような相談にも応じている。同店は一種の本の博物館であり、店員は学芸員というスタンスで経営しているのである。

 巨艦店を出店しながらも対照的なジュンク堂書店と丸善であるが、奇しくも丸善は2008年8月、ジュンク堂書店は2009年3月に、それぞれ大日本印刷の子会社になった。国内最大の書店グループの誕生である。

 2009年4月17日付『日経MJ』によれば、その背景には「印刷会社にとって出版業は最大の得意先であり、出版不況を何とかしたいとの思いがあった」と大日本印刷・森野鉄治常務がインタビューに答えている。「書店で得た消費者の生の情報を出版社に伝えていきたい」と、川下からの出版再編を匂わせる発言もしている。まずはお手並み拝見ということだろうか。

●「調べ学習」で本に親しむ子供を育てる市川市

 さて、「出版不況の深刻化の背景の1つには、活字離れ、読書離れがある」というのが定説である。特に若者が携帯電話のメール交換やコミュニティ、ゲームに夢中で本を読まなくなったことが大きいとされる。娯楽で本を読まなくなったくらいなら良いのであるが、問題は良質な本を出版している出版社もどんどん経営破たんしていることである。

 日本の明日を担う人たちが本を読まなくなっているのは、単に出版社や書店の経営の問題でなく、国民の学力形成の上でも由々しき事態だ。そうでなくとも、ゆとり教育の影響で学生の学力が落ちていると言われる中、学生の読解力の低下は、日本の将来の国力低下に直結しかねない。

 OECD(経済開発協力機構)が、2006年に世界57カ国・地域の15歳を対象に実施した「生徒の学習到達度調査」によれば、日本人の読解力は15位で、2000年の8位から大きく後退している。ちなみに2006年の読解力1位と2位は、韓国、フィンランドであり、両方ともITが売りの国だ。「PCや携帯が普及したから読解力が落ちた」という言い訳は通らないのである。

 では、活字離れ、読書離れを食い止め、本を読む若い人が増える見込みはあるのだろうか。小中学生の義務教育の現場では、喜ばしいことに現状を憂う教育関係者の声が反映されて、改善が進んでいる。

 文部科学省の調べによれば、2006年度の公立校の全校一斉読書活動は、小学校(2万2028校)の93.7%、中学校(1万62校)の 81.2%と大多数の学校で実施されている。しかも、全校一斉読書活動の頻度も、小学校の18.0%が毎日実施、39.1%が週に数回実施、27.8%が週に1回実施となっている。中学校ではさらに頻度は上がり、53.2%が毎日実施、14.0%が週に数回実施、2.5%が週に1回実施となっている。たまに実施しているのではない。小中学校では授業を通して本を読む機会が増えており、小学校の83.9%、中学校の60.6%が、図書の読み聞かせやブックトーク、読書感想文コンクールなどを実施している。

 小中学校の読書の拠点は学校図書館であるが、千葉県市川市では一歩進んで、各教科で力を入れている「調べ学習」において、市内の公立図書館と各校図書館を情報ネットワークで結び、1つの図書館として使う試みを行っている。

 これは単に本を検索して、どこに所蔵しているのかが分かるだけではない。中央図書館、市立博物館と市内の小中学校、幼稚園、高等学校、養護学校など全64校を専用車2台が回って、週に2回必要な図書を学校に届け、回収するのである。貸出、返却の窓口は各館・各校の司書が行っている。

 授業の取り組みとして、学校間の相互交流も行われている。一例として、菅野小学校の5年生が、国語の調べ学習「今と昔のごみを減らす工夫」について各人が本で読んで調べたことを、真間小学校の4年生に対して発表。真間小学校の4年生には、「江戸時代のゴミを減らす方法について、昔の知恵と工夫に驚いた」といったような発表を行う生徒もいる。

 また、第二中学校では図書委員が読み聞かせを行ったり、社会の調べ学習で「歴史紙芝居」を作って小学校の生徒の前で発表したり、家庭科の調べ学習で郷土料理を研究したりと、多彩な試みを行っている。

 このような試みが広がっていくと、本に親しみ、問題が起これば本で調べて解決をしようと考える人が増えて、出版社も良書を出すことに注力するようになると思う。

●出版社、書店は本を売る努力が欠けている

 出版社の破たんが相次ぐばかりでなく、雑誌の廃刊も続くなどといった状況で、明るい話題の少ない出版業界であるが、出版の業界紙『新文化』の石橋毅史編集長は、「今は古い体制が壊れかけていて、新しいものが出てくる生みの苦しみを味わっている」と考えている。

 戦後、出版業の発展の基盤となったのは、間違いなく2大取次を中心とした再販制度だ。再販があったから、出版社は小売サイドの値下げ競争に巻き込まれずに自分で価格を決めて販売できたし、書店は高いリスクを取って本を取次や出版社から買い切らなくても自由に返品できたのだ。

 かつて出版業は不況知らずと言われ、バブル崩壊までは日本の社会、経済に適合したビジネスモデルを持った業種だった。しかし、あまりに最適化したゆえに、情報革命が進んだ21世紀の成功モデルへの脱却に苦しんでいる。

 それにしても、老舗の駅前書店がどんどん閉店しているとはいえ、学術書が500部を売るのも厳しいというのはどうしたことか。全国の公共図書館、大学図書館、企業などの資料室を合わせても、売り先はもっとあるはずだ。

 「都道府県や市町村はどこも予算が苦しいですし、限られた予算の中で本を購入しなければなりません。住民へのサービスの観点からもベストセラーは何冊か買うことになりますから、学術書ばかりを買っていられないのです。出版社は販売を取次任せにしないで、自ら売りに歩くべきです。その努力をしているのかと言いたい」(『新文化』石橋編集長)

 石橋氏は作った本をどうすれば売れるのか、そこを考えて実践する努力が出版社には足りないと指摘する。販売の努力が足りないのは書店も同じで、売れなければ返品できるから、これまで売り場作りに業界全体として工夫を重ねてきたとは言いがたい。座り読みのジュンク堂書店、ブックミュージアムの丸善は例外的なケースである。今年は、太宰治、松本清張、大岡昇平、花田清輝、中島敦、埴谷雄高といった多くの作家の生誕100年にあたり、もっと売り場が盛り上がってもいいはずなのだが、そうもなっていない。気力がなくなっているのかもしれない。

 しかし、書店にも少しずつ新しい潮流が生まれつつある。例えば、中目黒のマンションの一室で営業する「ユトレヒト」は、店主のこだわりで絵本、アート、建築、旅などの本を、和書・洋書あるいは新刊・古書の区別なく集めた本屋で、じっくり本を選んでもらえるよう予約制を取っている。同店のサイトを見ると、取り扱っている著者のプロフィールが詳しく記されている。1冊の本から、著者の世界を詳しく知る手掛かりが得られるのだ。また、本に関連したバッグ、Tシャツ、ポスターも売るなど発想が自由だ。

 「ユトレヒト」がプロデュースしたライブラリーが、神奈川県葉山町のデザイナーズホテル「スケープス」内にできるなど、本をセレクトするセンスが評価されてきている。2008年11月には青山に「NOW IDeA」という新店もオープンした。こちらは予約制でなく、近々カフェも併設する予定だという。

 一方で、千葉県市川市の図書館ネットワークを活用した「調べ学習」の実践など、学力低下を危惧する教育行政、各校の施策によって、本に親しむ子どもが「ゆとり教育」最盛期に比べれば増えつつあるようにも思える。

 出版社が本を作ることばかりでなく売ることに注力し、書店がもっとセレクトショップ化して面白い売り場をつくり、教育現場が本に親しむように子どもたちを育てる。そうすれば、本の有用性が社会に浸透し、出版不況にも日が差してくるのではないだろうか。
posted by 桧垣源之助 at 12:42| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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