2009年02月13日

型と身体操作の関係

よく型の効用を議論するときに「型は身体操作を覚えるために必要である」とする意見が、しばしば見受けられます。

本当にそうでしょうか?

結論から言うと、単独型をやっただけで空手の身体操作を身につけることは無理でしょう。

型の意味を理解し、分解を練習しない限り、技のコツである術(身体操作)は身につきません。

単独型だけをやって身に付けられるものは、演武を上手にやるコツでしかありません。


その例として、「逆腰」を挙げておきます。

「逆腰」とは、突きを出すときに前に出る腕とは反対の後ろの方へ腰を切る動作をいいます。

逆腰を使う組手選手はいませんが、型の選手に逆腰を使う人がいるようです。

突きを出すときに、威力を出すためにダブルツイスト(腰使い)を用います。

このダブルツイストは、突きを出す前の予備動作である引き手のときに、突く手と同じ側の腰が後ろへ戻り、すかさずその腰が前に出るの反動を利用して、突き手を前に出すエネルギーに使うための動作です。

この突きの動作に引き手が加わると、トリプルツイストになります。

上手な人がこのトリプルツイストを速く行うと、最初のダブルツイストは動作が小さくて見えづらく、最後の引き戻す動作が大きく見えますので、技の構造を理解していないと突いたときに腰を引いているように見えます。

これを見て、上手い人は突きの時に腰を引く「逆腰」を使っていると勘違いをしたのだと思われます。

また、逆腰を行うと空手衣が「バシッ」と大きな音をだすので、突きの威力が大きくなったような錯覚に陥ります。

実際にマキワラやサンドバックを突いたり、フルコンタクト形式の組手をやってみれば、この逆腰が威力に繋がらないことが理解できます。

突きの威力を増すためのダブルツイストと、単独型の演武を上手く見せるための逆腰の違いを理解すれば、目的を持った技とそれを生かす術の関係が見えてくるのではないでしょうか。
posted by 桧垣源之助 at 21:24| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 上達論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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